ソフトバンクが2017年度から、孫正義・ソフトバンクグループ社長のプレゼンテーションのノウハウを外部企業に販売することが27日、分かった。同社のプレゼンは、大きい文字やシンプルなメッセージで伝えることなどが特徴。プレゼン手法などを教える社内研修で講師役を務める同社社員が、来年度から外部企業に出向いて説明し、収益化を図るとともに講師力の底上げも狙う。
「シンギュラリティの意味を知っている人はどのくらいいますか」。孫社長のプレゼンは、人工知能(AI)が人間を超えるというシンギュラリティの意味を知らない人にも分かってもらえるよう知識レベルの差を問わないシンプルな説明や見やすい大きなグラフ、文字が特徴だ。
外販するプレゼンのノウハウもこうした特徴を伝えることを意識し、プレゼン資料1枚に1メッセージ▽1文字でも少なくなるべく大きな文字に▽色使いは2、3色以内に-など、プレゼン資料の作成方法から「相手に自分を売り込むのではなく、どうすれば動いてもらえるか」を意識して、目的・内容・順序の3要素で構成するなどの論理の組み立て方までさまざまだ。
ソフトバンクでは、社員が経験から得た能力を生かして、他の社員にプレゼン手法や表計算ソフトの使い方、ビジネス統計などを教える研修の内製化を09年から進めている。
外販するのは、内製化した研修で教えているさまざまなノウハウで「ソフトバンクの研修を知りたい」という要望を受けて16年度に外部企業に試験的に実施した。17年度は年間の売り上げ目標も設定した上で、教材も一新して本格的に始める。料金などは現在、検討中だ。