□チャレナジー・清水敦史社長
再生可能エネルギー普及のカギを握る風力発電だが、台風のような強風時には、せっかくの風を発電に生かせない。風車のプロペラが破損する恐れがあるためだが、そのプロペラをなくすことで強風時にも稼働する発電機の開発に取り組んでいるベンチャー企業、チャレナジー(東京都墨田区)の清水敦史社長に開発の現状と事業戦略を聞いた。
◆マグナス効果を利用
--プロペラがなくて、どう発電するのか
「プロペラの代わりに円柱を置いた『垂直軸型マグナス風力発電機』を開発している。マグナス効果を利用して、理論上は台風のような暴風時でも安定して発電できる」
--マグナス効果とは
「回転する円柱や球が風の中に置かれたとき、その風の流れの方向に対して垂直の方向に力が働く現象が起きる。それがマグナス効果だ。身近な例で言えば、野球でカーブを投げたときにボールが曲がるのも同じ原理だ」
--開発はどこまで進んでいるのか
「昨夏、沖縄県南城市に発電出力1キロワットの発電機を設置し、実証実験を行っている。台風接近時でも安定して発電し続けられることを確認できた」