FCVのインフラ整備鈍化…量産化進まず稼働率低調 「1日数台のところも」 (2/2ページ)

2017.3.17 06:12

燃料電池バスに充填する岩谷産業の野村雅男社長(右)=16日、東京都江東区
燃料電池バスに充填する岩谷産業の野村雅男社長(右)=16日、東京都江東区【拡大】

  • JXエネルギーの横浜綱島水素ステーション=横浜市港北区

 水素ステーションの運営は厳しい。設置費用は4億~6億円程度かかるが、「1日数台しか来ない水素ステーションもある」(岩谷)といい、採算がとれる段階ではない。岩谷の野村社長は「(FCVの)生産台数を増やしていくのが課題だ」と指摘する。

 FCVは量産化が難しく、2月末時点での国内累計販売台数はトヨタ自動車の「ミライ」が約1500台、ホンダの「クラリティ フューエルセル」は140台にとどまる。

 経済産業省は昨年3月に改訂した水素・燃料電池戦略のロードマップで、目標を再設定したが、もともとは「15年度内に100カ所程度」としていた目標が現在約80カ所と未達に終わり、事実上の“下方修正”だ。業界関係者は「ステーションの建設基準やガソリン同様にセルフ式を認めるなどの規制緩和を進めてほしい」と国の支援強化を求めている。(古川有希)

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