KDDIは14日、同社のモール型電子商取引(EC)サイト「Wowma!(ワウマ)」への出店料を1年間無料にするキャンペーンを6月30日から始めると発表した。ヤフーも2013年から出店料を無料にしたことで、1年で8倍、3年で国内EC事業者で出店数1位を達成しており、KDDIも同様の施策で楽天など競合を追う。先行する各社も、アマゾンが月内にも生鮮食品を販売する「アマゾンフレッシュ」を発表するとみられるなど競争が激化している。
ワウマの0円キャンペーンは、6月30日から18年3月末までに申し込んだ出店者が、申し込みから1年間出店料を無料にする。既存の出店者も3月15日から6月29日までに申し込めば申し込みから1年間出店料が無料になる。無料期間経過後は、毎月の出店料が現在の10分の1以下の4800円になる新出店プランを提供する。
ワウマはKDDIがDeNAのショッピングモール事業を引き継いで設立したKDDIコマースフォワードが1月に始めたECサイト。
ファッションやグルメなどが人気だが、利用者からは「まだまだ商品が全体的に足りない」という声が届いていたことから無料化を決めた。
同社の八津川博史社長は、出店料無料化などで「19年までの3年間で現在約1500億円の流通総額を4倍に伸ばしたい」と話した。今後は、auショップでのワウマの商品の販売などグループのメリットを生かしていく考えだ。
一方、先行する他社は約48万店(16年末)のヤフーを筆頭に、アマゾンが約18万店(15年6月末)、楽天も約4万5000店(16年末)と、豊富な出店数と商品数で競争を展開する。今春にも生鮮食品を販売するアマゾンのほか、ヤフーはソフトバンクやワイモバイルの携帯電話契約者向けにポイントを最大で10倍にする割引キャンペーンを展開する。