九州大と量子科学技術研究開発機構、がん患部標的ナノ粒子開発

2017.3.14 05:00

 九州大と量子科学技術研究開発機構(千葉市)の共同研究チームは、がん細胞に特有の高温性に反応して膨らむナノ粒子を開発した。米科学誌電子版に発表した。粒子に含ませた薬剤を、がん患部だけにとどまらせることができるといい、九大大学院薬学研究院の唐沢悟准教授(有機化学)は「副作用の少ない治療が期待できる」と話している。

 がん細胞は、それぞれ数十~数百ナノメートルの隙間がある。この隙間を狙って、ナノ粒子に薬剤を含ませて運ぶ治療はこれまでもあったが、粒子が隙間にとどまることができず、正常な細胞にも広がり、副作用を招いていた。

 チームは、がん細胞が正常な細胞より温度が高いことに着目。有機化合物を用いて、温度が高くなると元のサイズの500~1000倍に膨らむナノ粒子を開発した。マウスを使った実験で、粒子ががん細胞の隙間に入り込み、膨らんでとどまっていることを確認した。

 チームは、開発したナノ粒子に薬剤を含ませて患部に届けられれば、正常な細胞への影響をなくし、薬の量も抑えられるとしている。患者の負担の少ないがん診断や治療に役立てるため、10年以内の実用を目指して粒子の改良を進める。

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