巨額損失の原因となった東芝の米原発子会社、ウェスチングハウス・エレクトリック(WH)の売却先に、韓国電力公社(KEPCO)が浮上している。東芝にとっては、売却で今後の損失リスクから解放されるメリットがあり、海外進出を加速したいKEPCO側も関心を示しているもようだ。現時点で交渉入りはしていないとみられるが、展開次第では一気に話が進む可能性もありそうだ。
英フィナンシャル・タイムズは5日(現地時間)、東芝がWHをKEPCOに売却する可能性があると報じた。韓国の朝鮮日報は、6日付の記事でその内容を紹介した上、「正式な提案は来ていないが、内部で検討しているのは事実」とのKEPCO関係者のコメントを伝えた。
世界の原発市場は、東芝-WHと三菱重工業-仏アレバ、日立製作所-米ゼネラル・エレクトリック(GE)の3陣営が主導してきた。一方、台頭しつつあるのが中国やロシアなどの新興勢力だ。韓国もその一つで、KEPCOや子会社の韓国水力・原子力会社(KHNP)、斗山重工業が一体となって輸出を推進している。