対話ロボット開発のオリィ研究所(東京都三鷹市)は、身代わりロボ「OriHime(オリヒメ)」を、挙式するカップルに貸し出すサービスを始めた。これまで個別の貸し出しで対応してきたが、「結婚式に行けないので、代わりにオリヒメを列席させたい」という問い合わせが増えていることから、結婚式に照準を合わせたサービスとして正式に導入した。
「オリヒメ ブライダルサービス」は、式に行けない人が、タブレット端末やパソコンなどを使って遠隔で、式場に置かれたオリヒメを動かす。オリヒメに内蔵されたカメラやマイク、スピーカーを通じて、周囲の人とリアルタイムで会話を楽しむ。また、拍手などの身ぶりを通じて、感情も伝えられる。
式場への設置や当日のサポート、タブレット端末の貸与や事前操作体験などを全てサポートするフルサポートプランで、披露宴のみの場合が10万8000円、結婚式と披露宴の場合が15万1200円。
「存在感の伝達」をコンセプトにしたオリヒメは高さ21.5センチ、幅が腕をたたんだ状態で15センチ、奥行きが23センチ。重さ約590グラム。2015年7月の登場以来、主に法人向けに貸し出していた。
16年7月に投入した新バージョンは視線入力装置に対応しており、発声のできないALS(筋委縮性側索硬化症)などの難病患者でも介助者なしに簡単に操作できるようにした。さらに、同9月には在宅勤務用として、一時離席機能などが付いた機種を開発するなど、用途に合わせた機種の投入を続けている。