文学登竜門、AIが指南役 ソフトバンク系が添削サービス

 ソフトバンクグループが、人工知能(AI)を活用して文学賞受賞に向けた小説の添削指導サービスを始めることがわかった。審査員の傾向などをAIが分析し「相性が良いのはこの文学賞です」とアドバイスする。昨年、AIを用いた小説が文学賞の審査を通過しており、今後文学の世界で導入が進みそうだ。

 ソフトウエアベンチャー「AIREV」(東京都福生市)の開発した文法や文脈を理解できるAIに、各文学賞の受賞作品を読み込ませ、文章の長さや会話文の割合、文学賞ごとに異なる審査傾向を分析する。ソフトバンクグループのツギクル(東京都港区)がAI添削の販売を担当する。同社幹部は「文学賞受賞作品の傾向をわかるようにすることで、作家を目指す人を支援したい」と話す。

 ツギクルは投稿サイトなどに公開されている小説の内容をAIが分析して診断しており、投稿者にアドバイスしている。診断対象作品は、ファンタジー小説のみだが来年度はジャンルを広げる。

 診断と別に同社は、出版する本の裏表紙にAIを活用して内容の構成要素を円グラフにして載せている。大まかな目安として、「SF要素15%、恋愛要素20%」といった具合に表示し、本を読む前に読者が内容の構成要素をわかるようにしている。

 小説や新聞記事など、AIを文章の作成に活用する取組みも広まっている。名古屋大学のグループは、主人公の設定やあらすじなどを与えた上でAIが単語や形容詞を組み合わせて作った作品を、星新一賞に応募したところ1次審査を通過した。また、中部経済新聞(名古屋市)は昨年11月にAIが作成した同紙の歴史に関する記事を掲載した。

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