2017.3.4 05:00
□ホールマーケティングコンサルタント LOGOSプロジェクト上級研究員・岸本正一
■遊技人口回復のキーワード「安くて面白い」
最近、ちょっとした試算をして改めて驚いたことがある。それは、パチンコ・パチスロの標準貸玉料金である「4円パチンコ」や「20円パチスロ」で遊技する人が、業界ピーク時と比較して激減していることだ。
現在、全国のパチンコホールに設置されている遊技機は、私の試算ではその約38%が低貸玉料金による営業に用いられており、標準貸玉料金による営業に用いられているのは約62%となる。公益財団法人日本生産性本部「レジャー白書2016」のデータでは、現在の遊技参加人口は1070万人だが、これに当てはめると単純計算で663万人。さらに「遊技人口3000万人」と言われたピーク時に低貸玉営業が存在しなかったことを考えると、標準貸玉料金で遊ぶプレーヤーはわずか22%にまで減少したことになる。
内閣府の「国民生活に関する世論調査」を見れば、レジャー・余暇生活に対する「今後の生活の力点」としての期待は依然として高い。しかしながら、標準貸玉料金で遊ぶパチンコプレーヤーは減少傾向にあり、遊技を継続する人ですら、その多くが低貸玉料金コーナーに流れている。この結果を見ていると、国民のレジャーに対するニーズと現在の標準貸玉料金のパチンコの実態の間に、何やら「ズレ」が生じているように思えてならない。