業績不振で店舗の大量閉鎖に追い込まれた総合スーパーのユニーとイトーヨーカ堂が、衣料や日用品など直営の売り場にこだわる自前主義から脱却する姿勢を鮮明にしている。店舗改装で外部テナントとの連携を強化し、飲食や健康づくりなど体験型の「コト消費」の充実へ知恵を絞る。
ユニーは23日、改装した名古屋市のアピタ新守山店を公開した。2階フロアの半分程度を占めていた自前の日用品売り場が「草叢BOOKS(ブックス)」に生まれ変わった。書店やカフェ、子供の遊び場、ヨガ教室が一体となっている。
イメージ刷新に導いたのは、CDレンタルや書籍販売の「TSUTAYA(ツタヤ)」を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)だ。ソファやいすを配した「滞在型書店」を核とする複合施設を東京や大阪で手掛け、女性や若い家族の話題を集めている。ユニーは「改革を進めてきたが、顧客に響かなかった。フルモデルチェンジが必要だ」(浅井和彦上席執行役員)として運営を委託した。
配管がむき出しの天井や間接照明で写真映えするおしゃれな空間を演出。2歳の娘と訪れた主婦(34)は「雰囲気が良く、子供も満足そうでうれしい」と語った。