中部電力は16日、浜岡原発3、4号機(静岡県御前崎市)の重大事故時に格納容器の破損を防ぐ設備「フィルター付きベント」の設置工事で、全体の1割以上の119カ所で配管を支える器具の棒状の金具が不適切に埋め込まれていたと明らかにした。
県や御前崎市に説明した。中部電によると、この器具は30センチ四方と25センチ四方の2種類の金属プレートに、長さ22センチの棒状の金具を溶接し、この金具がコンクリートの壁や床に埋め込まれる構造。鉄筋が多くある箇所で金具をプレートの規定以外の位置に溶接したり、金具を許容値以上に曲げたりしていた。工事が遅れないよう急いだため中部電が請負会社に求めた基準に合わない設置法になったといい、中部電静岡支店の西田勘二原子力グループ部長は「請負会社に任せており、連絡体制に不備があった」と説明した。