自動走行車が公道で実証実験できるようにするために、国土交通省は9日、道路運送車両法に基づく保安基準を緩和した。一定の条件下で国交省の許可を得れば、ハンドルなどがない自動車が公道を走ることが可能になった。
国交省によると、これまでハンドルやブレーキペダル、アクセルペダルなどがない自動走行車は公道で一般車とともに走ることができなかったが、今回の基準緩和により、速度制限やルートの限定、緊急停止ボタンの設置といった安全確保措置を講じることを条件に可能になった。
実際には、開発業者などから申請を受けた国交省が、道路管理者や警察と協議した上で具体的な条件を決めることになる。国交省は「交通量が少ない時間帯を選んだり、速度を通常より遅くするなどの条件が加わることになるだろう」と話した。
自動走行車の公道での初めての実験は昨年11月、秋田県仙北市でインターネット関連大手のディー・エヌ・エー(DeNA、東京都渋谷区)が実施。ただし、警察の許可を得て、一般の自動車が混在しない状況で行われていた。