永谷園が約20年ぶりに「お茶づけ」商品に封入を再開した浮世絵の名画カードが話題だ。かつてコレクターを生んだほどのカードの復活とあって歓迎の声があがる。抽選で歌川広重の「東海道五拾三次」が描かれたカード55枚のセットが当たるキャンペーンも復活させたところ応募数は順調に伸びているといい、浮世絵の根強い人気を浮き彫りにした。(中山玲子)
浮世絵ブーム
名画カードを封入しているのは「さけ茶づけ」や「梅干茶づけ」など5種類の商品で、キャンペーンは今年11月から平成31年1月まで。商品パッケージの応募マーク3枚で1口応募ができ、毎月千人に「東海道五拾三次」のカードセットが当たる。
すでに11月分の応募を締め切ったが、永谷園広報は「当選枠の千口を大幅に上回る応募を頂いた」と手応えを感じている。
永谷園が名画カードの復活を決めたのは、世界的に浮世絵への注目が高くなっているからだ。オランダで葛飾北斎のものとみられる作品6点が見つかり、西欧の水彩画の技法が用いられているとの分析が10月に発表された。11月には、すみだ北斎美術館(東京都墨田区)が開館した。
永谷園は「2020(平成32)年の東京五輪・パラリンピック開催も控え、日本のあらゆる文化が注目されている。日本文化を身近に実感してもらう機会にしてほしい」(広報)と話す。