情報技術(IT)、インターネットビジネス企業を中心とした経済団体、新経済連盟(新経連)の三木谷浩史代表理事(51、楽天会長兼社長)が昨年12月14日に開催された定例記者会見を欠席し、物議を醸している。理由説明もなく、会見開始5分前まで欠席することを知らせない“ドタキャン”に加え、その後、記者に対する三木谷氏の謝罪や説明もないまま。このビジネスマナー欠如の対応に、記者からは「新経連は経済団体を名乗る資格がない」という批判が出る異例の事態となった。
定例会見の開始予定時刻とされたのは午前10時45分。だが、ほとんどの記者は10時半には、会場前の受付を通って、集合していた。というのも会見案内には、「会合終了次第の開始となるため、開始・終了時間が10分ほど前後する可能性のあること」も明記されていたからだ。
三木谷氏が会見に出席しないことがわかったのは午前10時40分過ぎ。ムービー撮影のために機材や撮影スタッフをスタンバイさせていたNHKの記者が、カメラのセッティングのため、事務局の広報担当者に「三木谷さんはテーブルのどこに座るんですか」と質問。すると、担当者は「中央にはネクストの井上(高志社長)さんが座ります」と答えたのだ。
そのやりとりを聞いていた別の記者が「三木谷さん、まさか会見に来ないということはないよね」と質問すると、その広報担当者は「三木谷は急用で、会見を欠席します」と、何事もなかったかのように淡々と答えた。これには会見場にいた記者のほとんどが「ポカン」とあっけにとられるありさまで、記者が「欠席する理由を説明してください」と聞くと、担当者は「急な用事が入ったため」と繰り返すばかりだった。