出光が昭和シェル株31.3%を取得 公取委の承認で、創業家はなお合併に反対 (1/2ページ)

株式取得について説明する出光興産と昭和シェル石油の担当者=19日、東京都千代田区(高木克聡撮影)
株式取得について説明する出光興産と昭和シェル石油の担当者=19日、東京都千代田区(高木克聡撮影)【拡大】

 公正取引委員会は19日、石油元売り大手の出光興産が昭和シェル石油の、JXホールディングス(HD)が東燃ゼネラル石油の株式を取得することをいずれも承認した。出光は同日、昭シェル株を取得。合併に反対する創業家の説得を急ぐ。一方、JXHDと東燃ゼネは21日の臨時株主総会で承認を受け、平成29年4月に新会社を発足させる。

 公取委は今回の株式取得を一体で審査した。国内の石油製品とは価格構造が違う外国製のガソリンや軽油の輸入を促進するなど、4社が協調行動を起こしにくい対策を取ることを前提に、株式取得が競争の制限に当たらないと判断した。

 出光創業家の合併反対については、「あくまで株式取得について届け出があったことを淡々と審査した」(幹部)として、考慮していないことを説明した。

 公取委の承認を受け、出光は英オランダのロイヤル・ダッチ・シェルから昭和シェル株31・3%を取得した。ただ、反対する創業家は出光株の3分の1超を保有しており、取得後も合併の実現は困難な状況だ。

 また、両社は出光創業家の説得につなげるため、合併に先立ってお互いの株式を2割程度持ち合う資本・業務提携を検討したが、出光社内から反対の声が出たことなどから断念した。

 一方、JXHDと東燃ゼネは順調に統合新会社「JXTGホールディングス」を発足させる見通し。ガソリンの販売数量シェアで国内の5割を超える巨大企業が誕生することになる。

出光創業家、なお合併に反対