オリジナル家電を多品種少量生産 UPQ・中沢優子代表取締役CEO (1/2ページ)

2016.12.19 06:08

「二子玉川蔦屋家電」の店頭に初めて並んだUPQの製品=2015年9月、東京都世田谷区(UPQ提供)
「二子玉川蔦屋家電」の店頭に初めて並んだUPQの製品=2015年9月、東京都世田谷区(UPQ提供)【拡大】

 日本のお家芸であり、メード・イン・ジャパンの代名詞ともなった家電製品だが、近年は円高と新興国メーカーの台頭で押されっぱなしだった。この状況で「日の丸家電」の新たな挑戦を続けているのがUPQ(アップ・キュー)の中沢優子代表取締役CEO(最高経営責任者)だ。

始まりは携帯電話

 昨年8月、企画を始めてわずか2カ月で17種類、24製品を発売し、世間を驚かせた。その原点が携帯電話だった。

 中沢代表は「日本の携帯電話機は何でもかんでも機能を詰め込んだが、UPQは逆に詰まっていたものを1つずつ外してみようと考えた」という。

 携帯電話は、中学生から使っていた中沢代表にとって相棒のような存在。大学卒業後、カシオ計算機に入社した理由も「携帯電話を作りたい」。アルバイトで販売経験もあり、こんな携帯電話だったら売れるというアイデアも持っていた。

 カシオでは携帯電話の内蔵カメラで自分が満足のいく写真映りで撮れる「美撮り」モードを考案。その機能を載せる携帯電話の企画を担当したが、2012年、同社が携帯電話事業から撤退したのを機に退社した。

 それでも「絶対、また携帯電話を作れるときが来る」との確信があった。カシオに入社した当時、読みあさっていた総務省のリポートに通信会社を自由に選べるSIMロックフリー携帯電話が登場すると明記されていたからだ。ただ、退職時はまだ実現していなかった。そこでスキルアップを目的に、東京・秋葉原でカフェを開く。

「時代が来た。すぐものづくりの現場に戻りたい」

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