KDDI(au)は8日、インターネットのプロバイダー(ISP、接続事業者)大手、ビッグローブを来年1月末に完全子会社化すると発表した。投資ファンドの日本産業パートナーズが保有する全株式を約800億円で取得する。KDDIは、ビッグローブの光回線や格安スマホ事業の契約者を取り込み、物販や保険など「au経済圏」の顧客基盤拡大を狙う。
KDDIは、スマホの普及が足踏みしていることから、物販や決済、保険など各サービス共通のauポイントによる経済圏構想を展開、事業の多角化を急速に進めている。
KDDIの発表によると、ビッグローブは光回線で約200万人、格安スマホ事業で約40万人の利用者を抱えている。KDDIは、既存の携帯電話、固定通信で計約4900万人のユーザー群がいるが、さらに広げるために今回の買収を決めた。
ビッグローブは元NEC系列のISP。KDDI傘下に入った後も、当面はブランド名やサービスは維持する。また、現在、NTTドコモから回線を借りて提供している格安スマホ事業で、KDDI回線によるSIMカードの提供も検討する。
KDDIはISP大手、ニフティの買収交渉も進めている。