羊肉や野菜を鉄製の鍋で焼いて食べるジンギスカンの人気がじわじわ高まっている。12年前の大ブーム後に急減していたジンギスカン店が東京23区で増加しており、羊肉輸入額もブーム時期に迫る勢いだ。
ジンギスカン情報サイト「東京ジンギス倶楽部」によると、2011年に65店(推定数、以下同)だった店舗数は12年から増加に転じ、今年11月時点で88店まで増加した。大ブームだった05年の200店には及ばないものの、急減したジンギスカン店の“復活”に、同サイトの霜野史明代表は「狂乱的なブームが去って少しずつ定着してきたようだ」と話す。
05年の大ブームは牛海綿状脳症(BSE)問題に加え、脂肪燃焼効果の高いアミノ酸「L-カルニチン」の含有量が食肉で羊肉が最も多いと評判になったことが要因だ。若者がジンギスカン店に殺到し、新規参入店が一挙に増えた。しかし、BSEの終息や独特の臭いが敬遠されてブームは下火となった。
そんな中、ジンギスカン店経営大手、マツオ(北海道滝川市)はブームが終わった10年、東京・銀座に道外初出店となる「松尾ジンギスカン」を開店した。今年5月には新宿に3店目を開店するなど都内でジンギスカンファンを増やしてきた。同社企画運営部の永森和朗係長は「客数は少しずつ増えていて、北海道出身者のほか、初めて食べておいしさを知る人もいる。さらに2、3店舗は出したい」と話す。