大手百貨店が、家具小売りなど集客力のある異業種のテナント誘致に力を入れ始めた。1日には高島屋新宿店が入る商業施設に家具大手「ニトリ」が、大丸札幌店には人気キャラクターを扱う「ポケモンセンター」がそれぞれオープン。これまでにない店舗で、顧客層の拡大につなげる。専門店やネット通販の台頭などで収益が頭打ちとなるなか、訪日外国人の“爆買い”にも陰りが見えており、各社はビジネスモデルの転換を急いでいる。
「夢にまで見た新宿に出店するのは光栄だ」。高島屋が新宿駅南口で手掛ける商業施設に出店したニトリホールディングスの似鳥昭雄会長は、1日の式典でこう話した。都市部での出店を拡大したいニトリと、集客力を高めたい高島屋の思惑が一致。高島屋にとっては9月の港南台店(横浜市)に続く2店目のニトリ誘致となる。高島屋の秋山弘昭専務は「車で来店する人が多いニトリの顧客層を取り込める」と説明する。
ニトリをめぐっては、東武百貨店も来年3月、池袋本店(東京都豊島区)に出店する計画だ。集客力の高いニトリは、テナントの目玉として引っ張りだこだ。