カフェや飲料メーカーが紅茶の新商品の開発に力を入れている。日本ではコーヒーの陰に隠れている印象もあるが、世界的には紅茶葉の生産は毎年増え続けており、市場も拡大している。各社は日本で紅茶ブームを呼び起こしたいと意気込む。
米系コーヒーチェーン「スターバックス」は、10月から紅茶ブランド「ティバーナ」の本格展開を始めた。ストレートやラテに使う茶葉を一新。ユズやピーチといったフルーツと組み合わせ、抽出方法に工夫を凝らした期間限定商品も販売していく。
スターバックス・ジャパンの担当者は「紅茶はコーヒーと違って高いお金を払って飲む物ではないという意識から変えたい。新しい選択肢に紅茶を加えたい」と話す。
飲料メーカーで紅茶を引っ張るのはキリンビバレッジの「午後の紅茶」だ。日本で初めてペットボトル飲料として紅茶を発売してから、今年で30年目になる。同社は紅茶市場について「まだ伸びる余地がある」と指摘。ドトールコーヒーと共同でドリップ式の紅茶パックを開発した。
ティーカップにパックをセットして上からお湯をそそぐことで、ティーポットでいれたような香りや味わいになるという。持ち運びや廃棄も簡単で、キリンビバレッジは「ティーバッグより本格感がある。新しい紅茶の飲み方として提案したい」という。12月からインターネット通販での販売を始める。