製造業に欠かせない設備をつくる工作機械業界が、あらゆる機器をインターネットで接続する「IoT(モノのインターネット)」技術を活用したサービスに乗り出している。工場に並ぶ複数の設備を結んで稼働状況を逐次把握することで、設備を効率的に運用して生産性を高めることができるのがウリだ。先端技術に対する顧客企業の意欲も高く、差別化の一環として工作機械各社は通信会社と連携するなどサービス面の強化を急いでいる。
不具合や稼働監視
「先進技術による新たなものづくりの息吹を感じてほしい」
日本工作機械工業会の花木義麿会長は17日、東京都江東区の東京ビッグサイトで同日始まった「第28回日本国際工作機械見本市(JIMTOF)」の開会式でこうあいさつし、工作機械業界の進化を強調した。
世界最大規模の同見本市は2年に1度の開催。各社にとって絶好のアピールの場となる会場では、産業用ロボット大手のファナックが、年内にもサービス提供を開始する工場向けのIoT情報基盤「フィールドシステム」を披露した。NTTや米シスコシステムズなど通信各社と共同開発し、ファナックのロボットや工作機械に設置したセンサーから得たデータを分析し、不具合を予測する。