特許庁は、あらゆる機器をネットワークにつなぐモノのインターネット(IoT)関連の特許情報を横断的に収集・分析できるようにするため、世界に先駆けてIoTの特許分類の記号を14日に新設する。既に権利化された技術を出願者が調べる際の時間やコストを短縮し、国内の研究開発を促進する狙い。
特許分類は公報に記号が表記され、特許情報のデータベース「特許情報プラットフォーム」に入力すると類似する技術を閲覧できる。研究内容が他社の既存特許と重複していないかなどを調べる際に必要な情報だ。
ただ、IoTの対象はあらゆる工業分野にまたがる。例えば複数のロボットをネットでつなげて情報を集め、最適な動きを自己学習して表現できるシステムを発明しても、ロボット以外の分野で同じようなシステムが使われていれば特許が取れないこともある。
従来の特許分類では関連技術を一つ一つ検索する必要があり、発明内容が本当に新しいものなのかを調べるのに時間がかかった。
そこで、特許庁はIoT関連技術に分野横断の分類記号「ZIT」を付け、一度の検索でIoT関連なら全て閲覧できるようにする。
政府はIoTなどの「第4次産業革命」を成長戦略の目玉に位置づけており、研究開発に取り組む企業の利便性を高めることで、国内企業の競争力を高めたい考え。過去にも超電導やハイブリッド車(HV)など、時代ごとに注力する技術の特許分類を設けている。