自動運転技術の応用が拡大 日産「プロパイロットチェア」、ZMP「キャリロ」

自動運転技術を応用した日産自動車の「プロパイロットチェア」=9月30日、横浜市
自動運転技術を応用した日産自動車の「プロパイロットチェア」=9月30日、横浜市【拡大】

 自動運転で培った技術を他の分野で応用する動きがじわり広がっている。日産自動車は、飲食店などでの行列待ちが楽になる「自動で進むイス」を開発。ロボットベンチャーのZMP(東京都文京区)は、荷物を運ぶ際に、前の台車を、ほかの台車が自動で追従する機能を搭載した物流向けロボットを開発、8月末から出荷を始めた。自動運転は車だけでなく幅広い分野で活用事例が増えそうだ。

 日産が開発したのは「プロパイロットチェア」。8月下旬に発売したミニバン「セレナ」に採用した高速道路の同一車線で自動運転が可能な技術を応用した。システムは1セット5席で構成。最前列のイスに座る人が立ち上がると、そのイスが自動で最後尾へ移動し、ほかのイスは自動で1席分ずつ前に進む。人の動きやイスの流れは、搭載されたカメラとセンサーで認識する。日産はシステムを希望者に無償で貸し出す予定で、年末まで募集する。

 一方、ZMPが開発した物流支援ロボットは「キャリロ」で、無線機能を活用することで、最前列の台車に、後ろをいく台車が自動追従する機能を搭載した。3年リースで、本体価格は税抜き月額3万5000円。