2016.10.1 05:00
□ホールマーケティングコンサルタント、LOGOSプロジェクト上級研究員・岸本正一
■プレーヤーに「大当たり」を経験させる重要性
フィーバー機が登場する1980年よりも以前のパチンコ機は、発射した玉が盤面上部から下部に向かって、くぎとの衝突を繰り返しながら入賞口を目指して落下するスリルを楽しむというものであった。四半世紀を経て、現在のパチンコ機は大半が液晶画面を搭載。そこで繰り広げられるさまざまな演出は「大当たり」に至るか否かが楽しみの中心となった。
メーカーの立場で言えば、液晶画面内で繰り広げられる演出の開発には、時間と労力と費用が伴う。利益率を上げたければこれらをカットすればよいのだが、そのような方向に業界全体がシフトしないところを見ると、これらの演出の重要性をメーカー、ホールの両者が認識しているといえる。だが、プレーヤーは演出だけを楽しんでいるわけではない。著名キャラクターが登場するシーンを見たければ、テレビアニメや漫画雑誌を見ればよい。そうではなく、パチンコ・パチスロという遊びの中でこれらの演出を見るということには、もっと別の意味が存在しているはずだ。