2016.9.30 18:38
経営再建中のシャープが、2018年にも東京証券取引所2部から1部への指定替えを目指していることが30日、分かった。債務超過に陥り8月に降格したばかりだが、1部への早期復帰に向け、親会社の鴻海精密工業と連携を深め、経営合理化策や成長分野への積極投資などを次々と打ち出している。
1部復帰には「事業の継続性」や「時価総額」などの要件があるが、最大のハードルとなるのが「収益基盤の安定性」だ。赤字体質からの早期脱却が欠かせないが、16年3月期純損益は2千億円超の赤字で、16年9月中間期も赤字が続く公算が大きい。
戴正呉社長は16年度下期での黒字化を掲げ、収益改善を急ぐ。非中核事業の特許管理や物流部門は、鴻海の子会社と提携して分社化。成長の柱と位置付ける次世代パネル「有機EL」開発に向け、574億円の設備投資を決めるなど、8月の就任直後から異例のスピードで改革を進めている。