■日本の工芸×デザインの新たな創造の展望とは?
□Creators’Bondingとは?
工業用シール剤・接着剤メーカー「スリーボンド」の「創造することこそが、社会への奉仕につながる」という理念を体現する文化支援活動。毎年9月29日(くっつく=接着の日)を中心に、才能と才能を“Bonding”する様々な企画を実施。本連載は、各界で創造性を発揮し活躍する多彩な人々とのインタビューを通じ、“創造”について調査・研究していくマンスリー企画。人と人との絆の大切さを再認識する旧連載「くっつく絆メカニズム」を進化・発展させ、“創造”についての理解を加えることで、技術革新を促進し、新たな表現や文化の創出に貢献していく。
「Creators’Bonding」ウェブサイト www.creators-bonding.com
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□プロダクトデザイナー/+st代表・辰野しずか
■「日本の伝統と創造性を、デザインの力で広げたい」
今回のゲストは、日本の伝統工芸や加工技術を生かしたデザインの数々で注目を集める、プロダクトデザイナーの辰野しずかさん。日本のものづくり×デザインの展望について、話を聞きました。
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--辰野さんはデザイン事務所「+st(プラスエスティー)」を立ち上げ、地場産業の長所を生かすデザインの活動に取り組んでいます。最初に、デザインの道を志したきっかけについて教えてください。
辰野:南青山のインテリアショップからほど近い場所が地元なので、ご近所の感覚でデザインブームの熱気を目の当たりにしながら、多感な時期を過ごしたことでしょうか。自然にデザイナーの仕事に心惹(ひ)かれるようになり、プロダクトと家具デザインの両方を学ぶべく、イギリスの大学へ留学しました。