パソコンなどの販売やサポートなどを手掛けるピーシーデポコーポレーション(PCデポ)が販売手法の見直しを迫られている。ITに弱い高齢者が、中途解約時に高額な解約金を求められた分かりにくいサービス契約に対し、インターネット上で批判が相次いでいるためだ。販売面への悪影響も広がっている。
問題となった契約は、顧客が定額料金を一定期間支払ってパソコンのトラブル処理などのサービスを受ける。機器の初期設定などにかかる「技術料」は契約満了時に一気に精算する仕組みのため、中途解約の場合は多額の技術料を請求される。
騒動の発端となった顧客は80代の男性で、ネットのプロバイダー(接続事業者)利用などを含め月額1万4000円余りを3年間支払う契約だった。親族が契約から約8カ月後に解約を申し出たところ約21万7000円を請求された。抗議して解約金は半額近くになったが収まらず、会員制交流サイト(SNS)に経緯などを投稿、反響を呼んだ。
PCデポは「売買契約は顧問弁護士に、会計処理は監査法人に確認している」(幹部)との立場だ。しかし、携帯電話会社は一定期間の契約を前提にスマートフォンを「実質0円」で販売し、中途解約した顧客に多額の端末代金を請求して批判を浴びた。国民生活センターには情報通信関連で60歳以上の相談が増えている。対応を怠れば同様のトラブルが続出し、企業イメージがさらに悪化しかねない。
実際、8月の売上高は新規加入の減少などが響き、前年同月比で10.5%減った。解約請求も増えている。PCデポは社員を大量投入して契約内容の確認や説明を徹底する一方、外部の有識者らに意見を聞きながら契約内容や料金設定などの見直しを急いでいる。