【北京=平尾孝】主要企業のトップらが参加する日中経済協会を中心とした財界合同訪中団は22日、北京市で中国商務省の高燕商務次官と会談し、対中投資環境の改善などを議論した。商務省は海外企業同士の経営統合の際、審査を簡易にするなどの独占禁止法の見直しについて、取り組む考えを示すなど訪中団の要望に応じる姿勢をみせた。
団長を務める日中経協の宗岡正二会長(新日鉄住金会長)は「知的財産保護などで世界的な標準ルールを中国も守ることが、日本からの投資拡大につながる」と強調した。
日本側は投資環境の改善項目をまとめた要望書を提示。進出した企業の清算、譲渡の規制が煩雑で、実際には事業再編ができないことについて改善を求めた。特に撤退できる環境がなくては新たな投資が進まないと強調した。
こうした要望に対し高次官は「公平で透明性の高い環境をつくり、開放政策をさらに進めたい」と応じたほか、特許権侵害などで公安機関が今年1~6月に6万件を摘発するなど、知的財産保護の取り組みを強化していることを説明した。