少子高齢化にジミ婚、晩婚化…。結婚式・披露宴の簡素化が定着しており、ブライダル業界にとっては厳しい環境が続く。そんな中、新規参入した企業が元気だ。式場の立地にこだわったり、挙式まで数カ月しかないカップルに対して特典を用意するなど知恵を絞る。一方で、ふだんは披露宴に使われる宴会場を高級レストランとして一般に開放したりと、新しいビジネスモデルが次々に芽生えている。(栗井裕美子)
大阪駅直結のレストラン
8月26日、金曜日の夜。JR大阪駅(大阪市北区)に直結した高層ビル「大阪ステーションシティ」28階のレストラン「ラグナヴェールプレミア」で、夕食会「エアーズ×エスクリ ガラ・ディナー」という名のイベントが開かれた。
1万8千円という高額な参加費にもかかわらず、関西や首都圏などから約120人が訪れた。レストラン店内は豪華で落ち着いた雰囲気で、窓からは地上150メートルの眺望が広がる。ドレスアップした客たちは、洗練された接客を受けながらフランスの有名なワインと著名シェフによるイタリア料理を楽しんだ。
実はこのレストラン、全国各地で結婚式場を運営する「エスクリ」が経営している。本来は、結婚式の披露宴の会場として使われているが、披露宴が行われない日はレストランとして活用している。