再び「プロ」に経営託したベネッセ わずか3カ月…異例人事で社長交代 (1/2ページ)

社長交代会見で握手するベネッセホールディングスの福原賢一社長(左)と新社長に就任する安達保取締役=9日、東京都千代田区
社長交代会見で握手するベネッセホールディングスの福原賢一社長(左)と新社長に就任する安達保取締役=9日、東京都千代田区【拡大】

 ベネッセホールディングス(HD)は9日、福原賢一社長(65)が代表権のある副会長に退き、後任に社外取締役の安達保氏(62)が就く人事を発表した。10月1日付。福原氏は6月25日に業績不振を受け辞任した原田泳幸前会長兼社長の後任として就任したばかりで、わずか3カ月余りで社長が交代する異例の人事。米投資ファンドの日本法人トップとして事業再生に長く携わってきた安達氏の下で、早期の業績回復を目指す。

 「経営を一刻も早く強化したい」。福原社長はわずか3カ月あまりで社長職を譲る理由をこう説明した。

 2014年に発覚した個人情報漏洩(ろうえい)問題を受け主力の通信教育講座「進研ゼミ」の会員流出が止まらず、16年4~6月期の最終赤字は29億円(前年同期は4億円の赤字)に悪化。業績回復の兆しは見られなかった。

 それでも福原社長は4~6月期の最終赤字は「想定していた」と強調した。にもかかわらず社長交代に至ったのは、創業一族である福武総一郎最高顧問の意向が働いたとの見方は根強い。福原社長は今回の人事で「(福武氏の)意向を受けたことはない」と否定したが、安達氏に対する福武氏の信頼は厚い。

今年6月、安達氏は“3度目”となるベネッセHDの…