2016.9.5 05:00
静岡県のヒノキ材を使ったベンチ「VIELECK」。正五角60面体のユニークなデザインが特徴だ【拡大】
□イトーキ ソリューション開発本部Econifa開発チーム・小島勇氏
イトーキは、森林資源の有効活用と環境保全による持続可能な社会に向け、国産材の利用を推進している。この一環として「やま」で育った木を「まち」で使うという家具製作を通じた森林サイクルを促進する地域材活用ソリューション「Econifa(エコニファ)」を展開し、森林による二酸化炭素(CO2)吸収量の増加と、まちでの木材利用によるCO2固定量の増加に貢献。地域経済の活性化にも寄与していく。そこでソリューション開発本部Econifa開発チームの小島勇氏にエコニファ推進の狙いや展望を聞いた。
◆地域材で山村活性化
--エコニファを始めたきっかけは
「エコニファとは環境の『エコ』と、日本の森林で多くを占める針葉樹の『コニファ』を掛け合わせた造語で、地域の木材を家具やインテリアに使って、過疎化が進む山村などの産業活性化につなげるのが狙い。つまり『地域の木材を使う』が趣旨だ。2010年の『公共建築物等木材利用促進法』施行にあわせて、国や地方自治体が建築物に木材を使うようになったこともあって、同年から公共建築・オフィス空間に国産材による家具などを順次投入していった」
--森林循環の仕組みは
「やまで育った木を、まちで使うことでCO2を固定化できるので地球温暖化防止につながる。伐採しないと木も年を取りCO2吸収量が減少するし、根も弱くなり土砂崩れを起こしかねない。そこで、使うために伐採して、若い木を植えて、育てて、収穫するという森林サイクルを円滑にすればCO2削減に寄与する循環をつくることができる。同時に、やまとまちが木材の利用でつながり地域的循環も再現できる。森林保全と資源活用につながる」