訪日医療ツーリズム「最高級」提供 オーダーメードで1人数百万円 (1/4ページ)

日本旅行などが中国・上海で開催した医療ツーリズムの説明会
日本旅行などが中国・上海で開催した医療ツーリズムの説明会【拡大】

【JAPAN style】医療ツーリズム(下)

 初日は成田空港に到着してから東京・銀座や浅草に向かい、翌日は箱根で露天風呂に入る。3日目は京都と大阪を巡り、4、5日目は大阪の病院「聖授会」でPET(陽電子放出型撮影法)検診を受け、6日目に関西空港から帰国-。

 日本旅行(東京都中央区)が扱う「PET検診ツアー」の基本プランだ。訪日外国人観光客に人気のゴールデンルートを巡りながら五つ星クラスのホテルに宿泊し、ミシュラン三つ星店で食事を堪能する。費用は日本の地上手配部分で80万~100万円が標準(検診費用は別に約50万円かかる)という。

 年100人前後が利用

 訪日医療ツーリズム推進室の青木志郎室長は「あくまでも標準的なコースだが、医療ツーリズムは定番のコースを売るのではない。医療をメインとして、それに付随した最高級の宿泊、食事、交通をオーダーメードで提供する」と強調。「特に中国人は食事に手を抜かないので直接予約に行くこともある」と笑う。

 検診ツアーには経済的に裕福な中国人が多く、検診の前後に訪れる場所として夏は北海道が人気。中国映画「非誠勿擾(邦題・狙った恋の落とし方)」の舞台となった釧路や阿寒湖など道東がブームという。移動は専用車やファーストクラスを使い、通訳もつく。1人当たりの費用は数百万円に達するが「親切、丁寧、施設もいい」と納得して帰国すると、数年後にはまたツアーを利用してくれるという。

最初の年は49人、10年は過去最高の268人が参加した