□ワールド・ワイズ・ジャパン代表、LOGOSプロジェクト主幹・濱口理佳
■過去の延長線上に、もはや「未来像」はない
業界の転換期において、遊技業界の歴史(過去)を振り返り、頭の整理をすることが多くなった。年表だけでなく、先人の残した言葉や行動など、手を広げればきりがない。
先日は、本コラムにも精力的に寄稿していたシークエンスの故・三浦健一主幹の過去ブログなどをひもといていたのだが、かなり以前から警鐘を鳴らしてきたことが、いま現実のものとなっている。
彼ら危機感を持った先人たちは、遊技業界がサスティナブル社会で存続するために必要な「業界が解決すべき課題」「パチンコホール経営者が正すべき姿勢」を提示したり、業の持続可能な成長・発展を見据えた方向性を繰り返し打ち出してきた。しかし、今般のドラスチックな市場シフトを経て、もはや彼らが紡いできた過去の線上に“業界の明日”を描くことは困難な現状といえる。
業界として、サスティナブルに主軸を置いた判断を積極的に下してこなかったばかりに、行政発言による「遊技くぎ問題」や、カジノ法案をめぐるギャンブル依存症問題に巻き込まれ、外的圧力により“業界のカタチ”を変えざるを得ない状況を招いた。業界やファンが望まぬ形であっても「変わらなければ生き残れない」状況へと、自らの首を絞めたのだ。