【シリーズ エネルギーを考える】原子力抜きで安全保障は語れない (1/7ページ)

2016.8.25 05:00


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 □弁護士・北村晴男さん

 ■司法は謙抑的であるべき

 --今年春、再稼働が認められて運転中の原子力発電所の運転差し止めを求める2つの訴訟で全く逆の判決が出ました。滋賀県の大津地裁は高浜原発(福井県)の運転差し止めの決定を下し、福岡高裁宮崎支部は川内原発(鹿児島県)の即時抗告審で原告の訴えを退けました。どうして180度違う司法判断が出されることになるのでしょうか

 「裁判官の独立性が保障されている日本の健全な司法制度のもとでは、起こりうることです。ただし、こうした地裁の判断が異なった裁判でも、高裁、最高裁と上級審に進み、時間はかかっても最終的に最高裁で判断が統一されることが想定されているのが、民主国家である日本の司法制度です。これが中国の裁判所であれば、共産党の指導による統一的な判決が出されますが、それは最低レベルの司法制度です。他方、裁判官もそれぞれの価値観を持っています。どうしても法解釈にあたって、それぞれの価値観を反映せざるを得ない面があることは否定できません。法律にはすべての事情を細かく書ききれませんから、抽象化した条文を具体的なものに当てはめようとしたとき、おのおのの考え方や、ものの見方、価値観が入ってきて、結論に違いが出てきます。とくに原発の裁判でリスクをどこまで見るのかというのは、その人の背景にあるものの考え方や価値観に左右されることになりかねないため、判決が政治的な信条や思想に影響される傾向が強くなると思います」

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