三越伊勢丹ホールディングス(HD)が、東京・新宿で今年度中にオープンを目指す大型免税店の開業時期の延期を検討していることが23日、分かった。中国人観光客の“爆買い”の失速に伴って、免税売上高が急速に減っていることが背景。訪日客の買い物需要を取り込むため、百貨店などは免税対応を強化してきたが、足元の訪日客消費の減少を踏まえ、軌道を修正する動きも広がりそうだ。
三越伊勢丹HDは、消費税だけでなく関税や酒税、たばこ税も免除される市中空港型免税店事業に力を入れており、1月に沖縄県を除き初となる市中空港型免税店「Japan Duty Free GINZA」を三越銀座店に開いた。首都圏2号店として、新宿でも免税店を今年度中に開店する予定だった。
だが、年明け以降の円高傾向に加え、4月に中国政府が海外で購入した物品の関税を引き上げたことなどが響き、免税売上高が激減した。売れ筋が高額品から日用品や消耗品に移ったことで客単価も大幅に低下している。日本百貨店協会がまとめた免税売上高は4月から4カ月連続で前年同月を下回った。