スウェーデン家具大手グループのイケア・ジャパン(千葉県船橋市)は23日、来年秋をめどにインターネット通販の事業に参入する方針を発表した。おしゃれなデザインや低価格で人気を集めており、東京都内で記者会見したヘレン・フォン・ライス社長は「売上高を2020年までに倍増する目標を達成する上で重要だ」と述べた。ただイケアの商品は6月以降、不具合による回収が相次いでいる。ネット通販事業の拡大には品質面の信頼確保が課題となりそうだ。
イケアの店舗は現在、首都圏や関西圏を中心に8カ所で、駅から遠いなど不便な場所も多い。商品の一部は「アマゾン・コム」などのネット通販サイトでも買えるが、代行業者が販売しているため、イケアの店舗より割高なのが一般的だ。こうした事情を踏まえてイケアは公式通販の需要や開始時期を探ってきた。
回収を迫られた商品はチョコレート、乳幼児用の安全柵、調理器具セットと多岐にわたる。ライス社長は「深刻に受け止め、スウェーデンの本部などで原因究明を急いでいる」と説明した。