□サミー代表取締役社長COO・里見治紀
遊技産業における参加人口の減少が、業界の深刻な課題として掲げられて久しい。だが、自動車産業に目を向けても、若者の“車離れ”を止めることができていない。これは若年層世代における生活様式の変化に起因するものであり、遊技産業に限ったことではない。だからといって、ファンの裾野を広げる努力を等閑にしてよい理由にはならず、かつてない展開を視野に、業界を挙げた参加人口増加施策を打ち出すことが急務といえる。
弊社の例を挙げれば、先月24日にユニバーサルエンターテインメント社とファンイベントを共催。ファンの方々に楽しんでもらえるようアトラクションを多彩に用意するとともに、まだ市場デビューを果たしていない新機種の発表や先行試打を提供するなど、幅広く遊技の魅力を伝えた。結果、1万6500人が参加する盛況ぶりを見せたが、とにかく「パチンコホールに足を運んでみたい」と思ってもらえるPRと、「来てよかった」と実感できる環境整備が肝要だ。後者に関しては、とりわけ“プレイ単価とプレイ時間”に視点を置いた改善が指摘される。遊技に長時間を有する環境そのものが参加機会の減少を招き、自ら市場をシュリンクさせている。この状況を打破するためにも、短時間で遊技の面白さを体験できる遊技機の開発とオペレーションが求められている。