■独自の助成金制度、モデルプランに
2つの独自の助成金制度で企業支援を展開する池田泉州銀行。ニュービジネス助成金は2003年度から公募を始め、15年度末までに計16回公募を行った。この助成金は、新規性・独創性のあるビジネスプランを持つ企業や起業家の発掘・育成が目的だ。総額1000万円(大賞300万円、優秀賞100万円、奨励賞50万円)が支給される。15年度は合併5周年を記念し、地域創生特別賞を設け、支給総額1200万円に拡充して実施された。
もう1つのコンソーシアム研究開発助成金は、04年度から公募が始まり、15年度末までに12回公募を実施。この助成金は、地域の中小企業と大学や公設研究機関などとの共同研究開発やその事業化を後押しすることにより、「事業の多角化」や「第二創業」の支援を行う。1プラン当たり最高300万円、年間15件程度を目途に総額3000万円が支給される。
審査にあたっては、ニュービジネス助成金は「ニュービジネス目利き委員会」、コンソーシアム研究開発助成金は「評価委員会」をそれぞれ設置。外部機関の有識者による審査を行うことで公明性を確保している。
いまでこそ、こういった助成金制度に取り組む地域金融機関は珍しくないが、03年当時、銀行本体が事業主体となって、産官学連携による助成金制度を運営する例はなかった。