VR(仮想現実)やAR(拡張現実)といった新しいテクノロジーの力で、世界が広がろうとしている。ソニー・インタラクティブエンタテインメント(東京都港区)が今年秋に発売するVRヘッドマウントディスプレイの「プレイステーションVR」は、仮想の世界に自分が入り込んだような感覚にさせてくれる。世界中で話題沸騰の「ポケモンGO」は、現実に仮想の世界を重ね合わせて見え方を変える。エンターテインメントに限らず様々な可能性を持ったこうした新技術の可能性を、日本で早くからVRの研究に取り組んできた研究者たちが語った。
「3DとVRの進展は30年周期で起こる。そして、ここに来てVRが新しい熱狂を生もうとしている」。そう指摘するのは、VRやテレイグジスタンス(遠隔臨場感)の研究で知られる東京大学名誉教授の舘暲(たち・すすむ)氏だ。
コンテンツ東京2016という、コンテンツ関連技術やキャラクター資産などを持った企業が出展する展示会で、「VRでエンターテインメントは進化する ~歴史から学ぶ未来と、最新の技術動向~」というタイトルで講演した舘氏は、「2020年代が新しいVRの進展期になる。それに向かっての助走が始まった」と訴えた。