アサヒVSサントリー、訴訟和解もノンアル激戦 増産も需要頭打ち (1/2ページ)

 ノンアルコールビールの特許をめぐりサントリーホールディングスとアサヒビールが争った訴訟は知財高裁で和解が成立した。だが両社はともにシェア(市場占有率)が4割超と業界トップの座を激しく争い、販売では一歩も引かないつばぜり合いが続く。今夏は両社ともにノンアルビールの増産を計画するなど、シェア首位の座をかけて激しく火花を散らしている。

 サントリーがノンアルビールの特許権を侵害されたとして、アサヒの主力商品「ドライゼロ」の製造と販売差し止めを求めたが、20日に和解が成立。それぞれの商品の製造と販売はこれまで通り続ける。和解について両社は「互譲の精神に基づく」とのコメントを出した。

 だが、販売の現場では譲り合う気配は全くない。

 昨年初めてサントリーからシェア首位の座を奪ったアサヒは、7~8月は「ドライゼロ」を前年比で3割増産する強気の計画を打ち出している。飲食店向けにも積極的に販売攻勢をかけシェア拡大を狙う。

 一方、シェア2位のサントリーも7~8月は、主力商品「オールフリー」を1割増産する。3月から専用のミニ自動販売機を温浴施設に展開するなど、販路の拡大を急ぐ。

メーカーにとって、酒税がかからないノンアルビールは利益率が高い