□平出淑恵(酒サムライコーディネーター)
7日の七夕の夜、英国ロンドンのパークレーンヒルトンホテルではアカデミー賞さながらの盛大な授賞式が行われた。
「インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)2016」-。1984年から開催されてきた世界最大のワイン審査会だ。全世界から1万3000銘柄もの酒が集まる。
今年はIWCにSAKE部門が設立されてから10年となったのを記念して、同部門審査会が日本酒の主産地である兵庫県で開かれた。SAKE部門の出品数も過去最高の1282銘柄と、日本以外の団体が主催する日本酒審査会では最大規模となった。
授賞式では、ワイン部門やSAKE部門の表彰に先立ち、「マーチャントアワード」と呼ばれる優良酒販関係者の表彰が行われる。英国を中心に大規模から小規模、専門店、オンラインとさまざまな形でワインなどを販売している優良企業の代表者が、授賞式に集まったのだ。
このためワインやSAKEの部門でファイナリストとなり、遠路ロンドンに駆けつけた生産者は、IWCのお墨付きをもって、普段はなかなかアポも取れない優良酒販関係者と同じ会場に居合わせることができる。そう考えると華々しいスポットライトに輝く授賞式会場は、終着点ではなく、新たな出発の舞台であると思えてくる。