企業などが取得した特許を大学生のアイデアによって事業化するプロジェクト「特許ライセンスを活用した企業支援事業inさいたま」がスタートした。今年で4回目で、埼玉大学、芝浦工業大学から5ゼミ、総勢60人が参加してキックオフ大会を開催、全国大会進出を目指す。全国大会は年々規模が拡大しており、今年は青森から九州まで約50大学750人程度の参加が見込まれている。
この大会は、単なる商品アイデアを競うのではなく、学生のアイデアをもとに地域経済の活性化に取り組む支援機関が連携して、中小企業に新商品開発を促すのが大きな特徴だ。
今回提供される特許は15件で富士通、NHK、産業技術総合研究所が保有する。優れた技術であるにもかかわらず事業規模の違いなどから商品化されなかったものが多く、プロジェクトに参加する中小企業が特許を活用して自社製品を開発。これにより新たな市場開拓が可能になると期待されている。両者の橋渡し役を、柔軟な発想力を持つ大学生が担う。
埼玉県ではキックオフ大会に続き、7月には2大学の学生を集めて商品アイデアにつながるアイデア発想法セミナーを開催するとともに、地元中小企業のものづくり現場を訪問して商品アイデアのブラッシュアップを図る。