激しい競争を繰り広げるコンビニ業界で、セブン-イレブンが関西で勢力拡大を加速させている。かつて店舗の数ではファミリーマートやローソンが上回っていたが、セブン-イレブン・ジャパンが出店攻勢を強め、現在では大阪府内の3社の店舗数が約千店とほぼ拮抗。セブンは関西に特化した商品開発を進める戦略により、手薄だった関西エリアでの存在感を一気に高めようとしている。(大島直之)
「西日本プロジェクト」の存在
コンビニ業界で強さの指標とされるのは、1店あたりの全国平均の売上高(日販)だ。平成27年度の大手の日販はローソンが54万円、ファミリーマートが51万6千円。これに対しセブンは70万3千円と2社との差を広げた。
セブンは近年、重点出店エリアとして大阪府を中心とする関西に力を入れてきた。首都圏など東日本から勢力を拡大してきたセブンの関西進出は25年と大手では出遅れていた。大阪ではもともと関西発祥のローソンが多く立地。また、ファミリーマートもかつて近畿日本鉄道グループがエーエムピーエムのエリアフランチャイズ(FC)会社を運営し、その後ファミマに合流した歴史があり今も多くの店舗基盤を持つ。このため店舗数ではローソンやファミマが先行してきた。