任天堂が正念場を迎えている。3月に第1弾を配信開始したスマートフォン向けゲームの成否を含め、今年度は来年度以降に事業を拡大していけるかを占う1年になる。なかでも注目されるのは、開発中の次世代機「NX」だ。
同社の平成28年3月期連結決算は売上高が8・2%減の5044億円で、減収は22年3月期以降7期連続。22年3月期は、前期に2595万台を記録した据え置き型ゲーム機「Wii(ウィー)」の販売が減少に転じた時期と重なる。
Wiiがピークだった21年3月期の同社の売上高は1兆8386億円。営業利益は5552億円で、28年3月期(328億円)の約17倍あった。
その後、23年2月に発売した携帯型ゲーム機の「ニンテンドー3DS」、翌年11月の据え置き型「WiiU(ウィー・ユー)」が苦戦。WiiUの発売当時は米国の現地法人会長だった君島達己社長は「Wiiがあまりにも売れてしまったのが要因」と振り返る。