物を運んだり、上空から撮影したりすることができる小型無人機「ドローン」を活用した新しいサービスが次々と登場している。イベント演出やゴルフ場での荷物運搬がスタート。熊本地震など災害現場での利用も進んでいる。技術や安全対策の向上によってドローンが身近な存在になる日も遠くなさそうだ。
◆光や動き自動制御
4月20日、千葉県浦安市のホールで、発光ダイオード(LED)照明を球状に取り付けたドローン5機が津軽三味線の生演奏に合わせて編隊飛行し、V字になって「逆さ富士」を表現すると、約1300人の観客が一斉に拍手した。
この演出は、インターネット広告大手のマイクロアド(東京)が、ドローンを使って光と音で空間をデザインする新サービス「Sky Magic(スカイマジック)」の発表会として実施した。
渡辺健太郎社長は「舞台上や野外会場の空を新しい情報空間にすることが目的」と説明。招待された横浜市の20代の男性会社員は「見る人の感性をより刺激してくれる演出が期待できそう」と興奮した様子で話した。
同社は音楽に合わせてドローンの光や動きを自動制御するシステムを開発。ドローン1機に660個のLEDを取り付けた。現在は25機の同時飛行が可能で、年内には100機以上の編隊を目指す。イベント会場やテーマパークなどでの演出を想定する。
プログラミングなどの準備作業に3カ月以上かかり、利用料金は数千万円以上を予定。欧米からも問い合わせが来ているという。