富士通ビー・エス・シーは、収益構造の強化に乗り出す。具体的には、2015年度後半から本格的に取り組んでいる不採算プロジェクト対策を推進。また、技術者が技能やアイデアを競い合う「ハッカソン」の開催機会を増やすことにより、新規事業・新技術の探索に力を入れる。
同社は、営業利益の改善を図るため不採算プロジェクト対策を見直し、監視対象を受注総額1億円以上のものから、2000万円以上に拡大したほか、幹部社員に対する集中研修などを通じて意識行動改革を行っている。その結果、15年度下期には不採算損失が大幅に改善するなど「一定の予想範囲内でコントロールできるようになった」(小島基社長)ため、これまでの施策をさらに推し進める。
一方、16年度からは成長戦略の展開に伴い「ビジネスの『起点』を変えていく」(小島社長)ことにも力を入れる。その一環としてハッカソンや、幹部直前の層を対象にした社員教育「寺子屋」などに積極的に取り組む。
また、M&A(企業の合併・買収)によって、あらゆるモノにインターネットをつなげるIoT関連など、新市場への参入にも「道筋をつけていく」(小島社長)考えだ。
同社の2017年3月期は、主力の社会基盤事業で、電力自由化を背景にエネルギー分野を伸ばす計画。売上高は前期比3.6%増の330億円、営業利益は5.7倍の6億円となる見通しだ。