日本郵政が13日発表した2016年3月期連結決算は、最終利益が前期比11.7%減の4259億円となった。日銀のマイナス金利導入による金利低下で、利益の大半を稼ぎ出す子会社のゆうちょ銀行の業績が悪化し、グループ全体の足を引っ張った。
売上高に当たる経常収益は横ばいの14兆2575億円だった。
ゆうちょ銀行の最終利益は12.0%減の3250億円。投資信託や現金自動預払機(ATM)の関連収益は増えたが、資金運用の柱である国債の利息が大幅に減少した。
かんぽ生命保険も運用で苦戦したが、無配当特約の増加に伴って契約者配当の準備金に繰り入れる額が減り、最終利益は4.4%増の848億円を確保した。
日本郵便の最終利益は、昨年買収したオーストラリアの物流大手トール・ホールディングスの収益も加わり、約2.1倍の472億円だった。
インターネット通販の拡大で宅配便「ゆうパック」などが伸び、通常郵便を含む「総取扱物数」は0.2%増と14年ぶりにプラスに転じた。
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■日本郵政グループの2016年3月期決算
(経常収益/経常利益/最終利益)
◆日本郵政
14兆2575(▲0.0)/9662(▲13.4)/4259(▲11.7)
◆日本郵便
3兆6484(23.2)/423(85.1)/472(113.1)
◆ゆうちょ銀行
1兆9689(▲5.2)/4819(▲15.3)/3250(▲12.0)
◆かんぽ生命保険
9兆6057(▲5.5)/4115(▲16.5)/848(4.4)
※単位は億円。カッコ内は前年同期比増減率%。▲はマイナス