【eco最前線を聞く】巻芯回収、マングローブ植樹支援 (1/2ページ)

2016.4.4 06:45

昨年5月、フィリピンのネグロス島でマングローブを植樹する現地の子供たち(ニチバン提供)

昨年5月、フィリピンのネグロス島でマングローブを植樹する現地の子供たち(ニチバン提供)【拡大】

 □ニチバン常務 CSR・経営統括担当 酒井寛規さん

 ニチバンは、主力製品「セロテープ」などの粘着テープを使い切った後に残る巻芯を回収して段ボールに再生。そこで得た資金でフィリピンでのマングローブ植林・維持活動を支援する「ニチバン巻芯ECOプロジェクト」を2010年度から展開している。回収した巻芯は累計160万個を超え、マングローブの植樹も11万本以上に達した。酒井寛規常務は「息の長い、地に足が着いた活動として続けていく」と力を込める。

 ◆段ボールに再利用

 --プロジェクトを立ち上げたきっかけは

 「これまでもリサイクルをはじめ環境に配慮したものづくりに取り組んできた。ただ、テープは『はられて捨てられる』運命であり、使い切れば巻芯はごみとして捨てられる。そこで、1948年に市販したセロテープが発売60年を迎えたのを機に、『環境に優しい商品』を告知するキャンペーンとして何かできないかと検討し、目を付けたのが巻芯だった。巻芯はほとんどが紙製で、段ボールに再生すれば資源の有効活用になる。回収で得た資金を植樹活動に生かせば、地球環境保全に貢献できると考えた。なぜ植林かというと、材料のセロハンが木材チップでできていることをほとんどの人は知っておらず、植樹の重要性を訴えたかった」

 --プロジェクトの成果は

 「2014年11月から15年1月まで実施した第5回の取り組みには全国の学校や企業、病院など710団体と997の個人が参加し、回収した巻芯は49万3319個と過去最多を記録した。巻芯を売って得た利益と当社からの巻芯の個数に応じた支援金は、環境NGO(非政府組織)『イカオ・アコ』に寄付し、フィリピンのネグロス島でのマングローブ植樹を支援している。第5回分は今年3月までに3ヘクタールに3万本以上を植樹、これまで植樹したマングローブの保護・維持活動にも充てられる」

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。