2016.4.2 05:00
□木村和史 シークエンス取締役・LOGOSインテリジェンスフェロー
■日本のカジノは“ハレ”の場になれるのか
昨年のサイクロン被害が記憶に新しいバヌアツ共和国はオーストラリアの東、ニュージーランドの北に位置し、南西には“天国にいちばん近い島”といわれる仏領ニューカレドニアがある。国の人口は約20万人で、首都・ポートビラへはオーストラリアのシドニーから飛行機で約4時間の距離にある。
なお、バヌアツは1980年7月、イギリスとフランスから独立した。しかしながら、35年が経過した現在もオーストラリア、ニュージーランド、イギリス、フランス、中国などの影響圏内にある。
バヌアツは一応、観光立国であるが、マカオのように国民の多くがサービス産業に従事しているわけではなく、ほとんどは自給自足の生活を送っている。極論すれば、市場経済は機能していない。つまりトラックシステム的な物々交換だ。こうなると貨幣というものの価値が希薄になり、国内に銀行は存在するが、口座を持っているのは外国資本ばかりで国民の多くは口座すら持っていない。