新年度を迎えた1日、企業が一斉に入社式を行った。海外経済の減速や円高などで景気の先行きには不透明感が漂う中、不祥事や経営悪化に揺れる企業のトップらは新入社員に信頼回復や再生を呼びかけ、好調な企業からも厳しい競争に生き残るため、挑戦を求める発言が相次いだ。
「会計処理問題の発生に伴い、ご家族を含め、大変なご心配をお掛けし、心よりおわび申し上げます」
東芝グループが川崎市で開いた入社式は、東芝の室町正志社長が約930人の新入社員に“異例”の陳謝。「コミュニケーションを大切にしてほしい」と注文した上で、「再生に全力で取り組んでいただきたい」と呼びかけた。
台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業の傘下入りが決定したシャープの新入社員は、定員の165人より少ない121人。高橋興三社長は「鴻海は成長する東アジアのシンボルだ。国境を越えた連携の機会が生じる」と訴えた。